フェアレディZ 開発の記録 売れるスポーツカーを作ろうと思った

はじめに

フェアレディZは好きな車。片山豊氏の直筆サインの入ったZ33のカタログを今でも持っている。

そんなZの初代、S30の開発の話がこの本だ。

売れるスポーツカーを作りたかった

書籍の構成

社内研修資料をベースに開発体制の資料などを足したものになっている。

  • スポーツカーの系譜
  • フェアレディZの開発に至るまで
  • 日産車体
  • アメリカでの長期テスト
  • 発売後の状況
  • 次期型S130型車
  • これからのスポーツカー
  • あとがき

企画・開発の過程と本書の面白さ

商品の企画段階など、プロジェクトXで見たものとは大きな差がある。しっかりと日産の社内で検討され売れる車として企画され片山豊氏がスポンサーになったことが伝わってきた。

開発において初期の企画からどう途中で変えていったかという過程、なぜそうなったのかの理由や後悔している点が記載されており、プロジェクトXなどよりよほど面白い。開発は苦悩の連続だ。

脱線ー忘れられないZ33のCM

S30の話をしているときにする話ではないが、Z33は私には忘れられない車だ。日産好きの父親の元育った自分が高校~大学の時期に発売された車だからだ。その時のCMは今でも覚えている(リンクを貼っておく)

社内政治と商品を好きであること

結局日産はこういう会社かと思ったのは、社内政治の話だ。

著者自身が当時役員と話をした内容を描いているわけではないが、政治的な駆け引きに苦労する姿が描かれている。もっと自社商品を愛する人がトップにいてくれればという思い、これは当時もゴーンの時もあった話なのかと妙に感慨深くなってしまった。大卒当時、その色もあって技術力に興味はあれど日産にはあまり深くひかれなかった自分としては妙に納得してしまった。

さいごに

モノづくりの企業に勤める一人として、本書の内容はとても興味深いものだった。

いまは開発部隊の一人として働いているが、3年前は何を作るかの企画に携わっていたし、また別部署で他部署とすり合わせつつの開発企画の業務に携わろうとしている。先人の苦労を深くかみしめつつ、自身の業務をすすめていきたいものだ。


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