はじめに
IEEEの記事を読んでいたら、中国が原子力コンテナ船を作ろうとしている話が出てきた。
The Case for Nuclear Cargo Ships – IEEE Spectrum
溶融塩炉
課題設定:原子力船は加圧水型で、貨物船には建設・運用コストが適さなかった
軽水炉 – Wikipedia
今回は、第4世代原子炉のひとつ、溶融塩炉としているところが新しい
第4世代原子炉 – Wikipedia
記事中に書かれている技術課題として移動体への搭載に伴う振動耐性、規制上の課題として各国の原子力規制の違いを挙げている。作った水素を載せてやったほうが安全で規制の懸念もないということだろう。
一方でこの技術が実現された場合のメリットは燃料まで含めた発電・推進装置の重量・サイズの低減にともなう輸送量の増加といったところか。
船の値段は、24年時点最新で24000TEUコンテナ船で1億6000万ドルから1億9000万ドルといったところ。
上記数値は、今治の船主への取材からしても妥当そう。
記事の中でカーボンニュートラル対応に1隻当たり20億円程度お金がかかることが示されている。
取材が22年なので、24年の為替レートだとさらにかさむだろう。
瀬野社長
100億円の船を買う 「船主」の世界へようこそ | NHK | ビジネス特集
「2050年にかけてカーボンニュートラルの技術開発が進み、水素やアンモニアで運航する環境船の需要が高まるでしょう。こうした船は通常より20億円ほど追加の費用がかかるため、今はしっかり働いてくれた船を売却するなどして備えています」
ちなみに上記の記事の後、23年には今治造船は1億円をイギリスの溶融塩炉ベンチャーPower Coreに出資している。非上場企業で外航船部門の従業員が25人、それで1億円を出すという見方をするとすごくきこえるがもともとが・・・決して悪い数字ではなさそう。船1隻が100億円オーバー、かつ22年に所有していた船が50隻でそれぞれ20億円追加で費用が掛かる、という数値で行けばカーボンニュートラルで見込まれる1,000億円の追加投資に対して1億円をベンチャーに出資というのだから想定される支出の0.1%にしかならない。これならやってみようかとなりそう。
Japan’s Onomichi Dockyard leads $80m bet on floating nuclear plants – Nikkei Asia
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